老子曰く「授人以魚 不如授人以漁」
「魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えよ」ということです。

魚が欲しい人に魚を与えれば一日で食べてしまうが、釣りを教えれば一生食べていける。
突き放したやり方のように思われますが、持続可能性を考えた思いやりのある態度だと思っています。

なので、私は質問してきた社員に答えを教えません。

考えて考えまくって、答えを出すことが教育上いいと思うからです。

この教訓は歴史が教えてくれます。

ある発展途上国で水を手に入れるのに数キロも歩いていたので、日本のODAで井戸を掘ったことがあります。
井戸から水が出て現地の人は喜んだのですが、数年後、井戸は壊れて使用されていませんでした。水を手に入れるために再度数キロ歩いていたのです。

これは井戸の手動式ポンプの修理方法を知らなかったためでした。
井戸の掘り方を知っていれば、ポンプも設置して修理もできたことでしょう。
部品がなければ、金属を加工して作成もできたはずです。

すぐに答えが欲しいのはわかりますが、自分で学び実践することは必ず自分の役に立ちます。

人間は、「考える葦」(パスカル)なのですから。